舌側矯正
舌側矯正について
舌側矯正とは歯の裏側に矯正装置をつける方法です。よって、裏側矯正と呼ばれたりします。医学的(学術的)には、リンガル矯正と呼ばれます。
矯正治療は、その特殊性から歯学部で詳しく教えることはありません。ポストグラジュエートつまり学部を卒業した後に、歯科矯正学講座を受講し学ぶことになります。
更に、舌側矯正は歯科矯正学の中でも特殊です。多くの歯科大学では舌側矯正を教育課程に組み込んでいません。つまり、舌側矯正を習得する機会は稀で、舌側矯正を行う歯科医師は少ないことになります。
舌側矯正と唇側矯正の比較
唇側矯正とは、くちびる(唇)側に装置をつける方法です。従来型の矯正方法です。歯の表側に装置をつけるので表側矯正と呼ばれることもあります。
舌側矯正と唇側矯正(従来の表側矯正)の違いについて、“目立つか?目立たないか?”という点にいきがちですが、術者側すると治療のメカニズムという点が大きいです。
歯科矯正学には、歯を動かすロジックがあります。端的にいえば、物理学のようなものです。歯を動かくための力の方向や力量のかけ方がそれにあたります。力を加えるには、支点(力点)と作用点があります。写真のように、これらの2つの点(支点、作用点)が両者は異なります。
舌側矯正のメリット・デメリット
舌側矯正を希望する方の最大の理由が、“見えない”ことです。歯の裏側に装置をつけるので、矯正治療中であることは他人から気づかれることはありません。芸能人の方は、舌側矯正を治療法として選択するかたがほとんどです。
最近では、マウスピース型矯正装置を使った矯正方法も注目を浴びています。舌側矯正に代わる“見えない矯正”として選択する人が増えています。舌側矯正に比べて、マウスピース型矯正装置は安価であることも人気に拍車をかけています。ただし、マウスピース型矯正装置は舌側矯正に比べて、目立ってしまうこともあるのが欠点です。
舌側矯正はまず気づかれることはありません。マウスピース型矯正装置は口元をよく見てみると透明なマウスピースを装着していることが分かります。
反対に、舌側矯正のデメリットについてですが、治療費が高いということで舌側矯正をあきらめる人がいます。舌側矯正は唇側矯正の約1.5~2倍の治療費が必要です。
費用の目安(都内の相場)
- 唇側矯正 80万円
- 舌側矯正 120万円
- マウスピース型矯正装置 100万円