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矯正治療の基礎知識を知る

eラインって何?矯正で口元を引っ込める事が出来る?

eラインという言葉をご存知ですか?横顔を気にされている方は一度は目にした事があるかもしれません。今回はeラインと口元を引っ込める事の関係性について紹介していきます。

eラインとは

鼻の先と顎の先を結んだ線をeラインといいます。eは「エステティック」の頭文字です。 どのような顔を美しく感じるかは人によって異なりますが、このeラインよりも上唇が4mm程度、下唇が2mm程度内側にある状態が理想的な横顔と言われています。

例えば「出っ歯」の場合は、eラインより唇が前にあります。「出っ歯」の人を矯正治療により口元を引っ込める事で必ずしも横顔が大きく変わるわけではありませんが、治療目標により治療前と治療後でeラインを変化させる事は可能です。

eラインを整えるには?

eラインで重要になるポイントは鼻、口、顎の3点です。鼻、口、顎のバランスを整えることで、理想のeラインに近づける事が出来ます。しかし、鼻と顎は矯正治療で直接アプローチ出来る部位ではありませんのでここでは口元について細かく見ていきましょう。

口元のせいでeラインが整わないのはなぜ?

eラインが口元のせいで整っていない場合は次のような状態の可能性があります。

口元が出ている

先程、出っ歯の場合を例に挙げましたが「口元が出ている」状態も何種類かに分けられます。

歯が前に出ている

いわゆる「出っ歯」の状態です。歯自体が前に出ている事で、それに乗っかる粘膜や唇も前に出た結果、口元も前に出てしまいます。

骨自体が前に出ている

歯が生える骨自体が前に出ている事で、口元も全体的に前に出てしまいます。

上顎よりも下顎が前に出ている

いわゆる「反対咬合」です。上顎よりも下顎が前に出ていることで、eラインのバランスが崩れてしまいます。

口元を引っ込めるためには?

口元を引っ込めるために矯正治療をする、とイメージされる方が多いですが本来は逆です。矯正治療で理想の歯並びにする事で結果的に口元が引っ込み、eラインのバランスが整うのです。

治療目標の第1位が「口元を引っ込める」になってしまうと矯正歯科では「理想的な口元」にする事が難しいかもしれません。自分が理想の口元または、eラインにするためには、その目的を専門的に治療してくれる機関を受診する必要があります。

矯正治療で口元が引っ込む症例

では、矯正治療で結果的に口元が引っ込んだ症例とはどのような症例なのでしょうか?

1番変化が大きいのは、歯自体が前に出ている「出っ歯」の症例です。なぜかというと、出っ歯の人は骨の位置は正しい位置にあるので、矯正治療で歯を動かしていく事で歯の上に乗っかる粘膜や唇も変化していきやすいため、口元の変化も大きく出やすいのです。ただ、その変化には抜歯が伴います。出っ歯を後ろに下げるためのスペースを大きく確保する必要があるので、抜歯は必要不可欠になります。どうしても抜歯を望まない場合は、理想的な口元を目指すのが難しくなってしまいます。

歯と口元の変化は比例しない

先ほども述べたように、矯正治療をしたからといって必ずしも口元が引っ込むわけではありません。「口元が前に出ている」と感じている人は、歯だけが前に出ている場合と歯を支える骨自体が前に出ている場合があります。2つの症例は全く構造が違いますので、骨自体が前に出ている場合はいくら矯正治療をして歯を引っ込めたとしても顎の位置は変わらないので口元の形はほとんど変わらないかもしれません。せっかくeラインを整えるために矯正治療をしたのに、何年も後に“口元が変わらなかった…”と後悔してしまう可能性もあります。

矯正治療でeラインを整えるために

口元が出ている状態が軽度の場合には、歯の傾きや並びを整えるだけでeラインのバランスが改善する事もありますが、口元の突出感を大きく改善したい時には、「抜歯を伴う」矯正治療を行う必要があります。抜歯をしなくても歯並びを整える事は可能ですが、口元の突出感を気にされている方が非抜歯で治療をしても口元の突出感は変化がない、あるいはもっと突出してしまう可能性があります。口元を引っ込めるためには引っ込めるためのスペースを確保しなくてはなりません。健康な歯を抜くには抵抗がある、という方も多いと思いますが、治療目標が口元を引っ込める場合には抜歯を伴う矯正治療が有効になります。

eラインを改善するための矯正治療での注意点

矯正治療はあくまでも歯並びを整える事を目的とする治療になるので、理想の口元やeラインに完璧に近づけるのは難しくなってきます。抜歯を伴う矯正治療によって口元を引っ込める事は可能ですが、果たして口元が引っ込む量が自分が望む量なのかを予測するのは難しいです。矯正治療は年単位の長期の治療になりますので、自分が望むeラインを手に入れるために必要な治療なのかを判断する事が重要です。

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