裏側矯正ができない人ってどんな人?裏側矯正に向かない歯並びがある?
「あなたの歯並びは、裏側矯正には対応できない」と言われた経験はありませんか?ある歯医者に行くと、「うちではできます」と言われる事もあります。では、裏側矯正ができない歯並びとはどのような歯並びなのか、なぜ出来ないのかを詳しく説明していきます。
目次
裏側矯正の特徴
裏側矯正は別名「舌側矯正」ともいいます。舌側という通り舌がある側、つまり裏側で行う裏側矯正は「目立ちにくい」という最大のメリットがあります。矯正治療で気になるのはやはり笑った時に装置が目立つという点。誰にも気づかれずに矯正を進める事ができるのは良い点ですよね。誰かと食事をしている時なども食べ物が装置に挟まっているんじゃないかとビクビクする必要もなく、気にせずに食事を楽しむ事が出来ます。
裏側矯正の短所
裏側矯正は目立ちにくいというメリットがありますが、短所もいくつかあります。
歯磨きがしにくい
装置も何もついていない普通の状態でさえ、歯の裏側を磨くのは暗く見えにくく、表側よりも難しいです。さらに、表側につける矯正装置でも歯磨きがしにくいのに対し、裏側装置はより難易度が上がります。矯正は一度装置を付けると長期間外す事が出来ないので、装置がついたまま歯磨きをし続けなくてはなりません。裏側は見えにくいので、どこに汚れが残っているのかを直接確認する事が難しく、知らないうちに虫歯や歯周病が進行してしまっている可能性もあります。特に虫歯は痛みが生じるまで気付かない事が多く、気付いた時にはかなり進行した状態の場合が多いです。もしも虫歯や歯周病が悪化してしまったら一度装置を外し、治療のために矯正治療を中断せざるを得ない可能性もあります。
発音がしにくくなる
裏側に装置を付けると、発音をする際に舌が当たってしまい発音がしにくくなる場合があります。特に付け始めの時は違和感や痛みが強く出やすいので慣れるまでは辛いかもしれません。また、舌が装置と擦れることによって口内炎もできやすくなるため話す時や食べる時に支障をきたす可能性もあります。テレビに出る仕事をしている人や人前に立つ仕事をしている方が裏側装置を選択する場合が多いですが、慣れてしまえば気づかないくらい違和感なく発音されていますので、あまり不安になる必要はありません。
費用が高い
裏側矯正は、患者さん一人一人の歯並びに合わせオーダーメードで装置を製作します。歯科医の調整技術も表側矯正よりも難易度が上がるため、患者さんに対する治療時間も長くなりどうしても費用が高くなってしまいます。ただし、費用の負担が大きい人は見えやすい上側だけを裏側装置にする「ハーフリンガル」も選択する事が可能です。上下裏側装置が100〜150万円程なのに対し、ハーフリンガルにすると費用を20〜30万円程抑える事が可能です。
裏側矯正が適さない歯並びがある?
矯正歯科に相談に行った際、「あなたの歯並びだと裏側矯正はできません」と言われた事がありませんか?
実は、裏側矯正ができない歯並びはほとんどありません。表側矯正で治療できる症例は裏側矯正でも対応する事が可能です。ではなぜ歯医者は「あなたの歯並びだと裏側矯正はできません」と言うのでしょうか?
裏側矯正の技術を習得した歯医者が少ない
裏側矯正治療は、すべての矯正歯科医が対応できる治療ではありません。大学病院等で裏側矯正治療を教える事はありませんので治療の技術を学ぶためには、裏側治療専門の歯科医院に勤めるか、それ相応の研修を受ける必要があります。そのため、専門的に裏側矯正治療を習得した歯科医は限られてしまいます。
それでも「裏側矯正もできる」と掲げている矯正歯科はたくさんありますよね。
裏側矯正は治療の難易度が高い
裏側矯正は、歯科医の調整技術の難易度が格段に上がり、特にガタガタがかなり強い歯並びや、表側でも治療が難しい歯並びはより難易度が高くなります。矯正装置を歯の表側と裏側に付けるのではかける力も違うため、歯の動きも全く異なります。そのため、歯科医がその歯の動きを熟知していないと治療期間が長くなってしまったり、治療が中途半端な結果に終わってしまう事もあります。歯科医があなたの歯並びを見て、裏側矯正だと十分な技術を発揮できない可能性もあるため「あなたの歯並びは裏側矯正(では対応が難しく、治療の成果を出しにくいためうちでは)できません」と言う対応になってしまったのかもしれません。
裏側矯正の技術が高い歯医者がおすすめ!
一般の矯正歯科では、複雑な歯並びには裏側矯正で対応できない可能性があります。「絶対に裏側じゃないと矯正したくない!」と言う方は、裏側矯正を専門的に行っている矯正歯科や複雑な症例をいくつも対応している歯科医がいる矯正歯科を見つけるのをおすすめします。ただ、裏側矯正は表側に比べてデメリットも多いですのでよく検討した上で選択されるのが良いでしょう。